ビギナーズラック?
数年前、いろんな人にプロ野球の楽しさを教えてもらう中で一度、
横浜スタジアムの試合前のイベントに参加してマウンドから投球したことがある。
この間久しぶりにハマスタに行ってそのときのことを思い出したので、どんな感じだったか書こうと思う。
当時はこんなにジャイアンツびいきではなかったし、野球観戦自体が楽しくて、いろんな球団の応援もけっこうできていた。
それは、バックスクリーンに自分の姿が映って、球速が表示されるという人生の大イベントだった。
スタジアムの中へ
その日はガールズフェスティバルの日で、女性限定でユニホームが配られていたはずだ。
そのユニホームを着て、試合前、集合場所に行く。
そのイベントに参加する方も基本女性で、10人くらいだった。
集合場所に全員集まった後、スタジアムの中に案内される。
普段通らない後ろの方の入り口から入って、結構中まで歩いていく。
たしかその途中でラミレスに会って、みんなでハイタッチしてもらったと思う。
ベンチの裏みたいなところに着くと、投球順に並ばされる。
グローブを渡されて、スタジアムDJの方から簡単なインタビューをされる。
荒波選手のファンなので、ケガに負けずにがんばってほしい、みたいなことを答えた。
*「ダグアウトの向こう」の荒波のパートはかなりかっこよくて、荒波が好きなのは全然嘘ではない
他の方がインタビューされている間も落ち着かず、そわそわしていた。
スピードガンコンテストという名前のイベントだったので、おもいっっっっっきり投げる気でいて、キャッチボールしたいな〜という気持ちだった。
しかし、DJさんがインタビューを終えてしばらくすると、どんどん表が騒がしくなっていく。
そのままもう少し進んで、と案内されみんなでついていくと、
そこはもうハマスタのグラウンドだった。
マウンドへ!
係の人から、
ここからあのへんまで走って行って、そこで座って待って、自分の番になったら投げて、またすぐ帰ってきてください
みたいな説明を受けていたらもうイベントが始まってしまった。
ど素人がキャッチボールで肩をあたためる時間などなかった。
私の順番は2番目だったので、わーっとマウンドまで行って、前の人が投げるのを見ていた。
前の人は、ぽわーっと山なりのボールを投げて、球場からわらわらと拍手を受けていた。
あっという間に自分の番になってしまった。
自分の名前を呼ばれ、投げるラインまで向かう。その間に「荒波選手のファン」と紹介されていたのが聞こえた。
「では、お願いします!」みたいなかけ声を聞いて、アップしていない肩にめちゃめちゃ力を入れて投げた。
ボールは、「普通」の軌道を描いてホームベースに飛んで行った。
キャッチャーミットまですーっとまっすぐに。
そのとき、ハマスタの客席が
「おぉ」
と言うのが聞こえた。
客席全体から、うすーい感心の声がした。
スピードガンの結果は75km/h。
そもそもほとんど球速を測ったことがなく、自分の中で早いのか遅いのかもわからない。
でも、間違いなくあの瞬間、ハマスタをざわつかせることができた。
その快感は、後にも先にもない感覚だ。
試合前とはいえ、そこそこお客さんもいる。
その人たちが、私が投球しているのを見ていた。
なにそれすごい。
たまたま私の前の人がぽわーっと投げたのがフリになったのもわかっているが、
本当に気持ちよかった。
そのあとどうやって自分の席に戻ったか全然思い出せない。
ただその日、10人くらい投げた中での優勝は、8番目くらいに投げた人の78km/hだった。
あと3キロ、絶対に抜いてやる、と
どこかの誰かにめちゃくちゃ対抗心を燃やしている。今でも。
めい⚾︎
その日10人くらいの女性が投球した中で、75km/hで